世界の外食・フードサービス市場でデリバリー拡大中 アジアでも二割超に成長

英国の市場調査会社ユーロモニターインターナショナル(以下、当社)は、レポート『世界の外食・フードサービス市場』(The World Market for Consumer Foodservice)を発表しました。

10 July 2025 Tokyo
  • デリバリーの世界シェアは2019年の9.5%から2024年には21.3%へ拡大、2029年まで年平均6.5%成長の見通し
  • アジアでもデリバリーが22.8%まで拡大、外食売上の4割を占める主要市場に
  • 国内市場は年平均0.7%の低成長、フィリピン(8.0%)、インド(6.6%)が新たな成長地域に
  • コーヒー・紅茶専門店、アジアで年10%超の成長続く

 

外食市場でデリバリーが存在感拡大、2029年に向け成長続く見通し

世界における外食・フードサービス産業の売上規模は、2024年に3兆1,629億米ドルに達し、コロナ禍前の2019年比で4.5%の成長を記録しました。国内においても、2024年の売上規模は23兆3,897億円であり、2019年比で5.6%となりました。
※本プレスリリースでは、過去については名目値、将来予測についてはインフレを考慮しない実質値を使用しています。

外食・フードサービス産業における売上を業態別に見た場合、世界では、デリバリーのシェアが2019年の9.5%から2024年には21.3%へと、11.8ポイント上昇しました。一方で、イートインのシェアは2019年の69.5%から2024年には56.7%へと、12.8ポイント減少しています。

同レポートを執筆したロシオ・フランコ シニアコンサルタントは次のように述べています:「デリバリーは利便性を提供しており、サードパーティ事業者(Uber Eatsなど外部のデリバリー事業者)は、配送料やサービス料を無料にすることで注文頻度を高めるといった、積極的な割引競争やロイヤルティプログラムの加入促進によってこの傾向を加速させている。サードパーティ事業者は引き続き二桁成長を遂げており、2024年にはデリバリー売上の72%を占めた。こうした背景から、デリバリーはイートインからのシェアを奪うことに成功した」

この傾向は今後も続き、世界におけるデリバリーの売上は、2029年まで年平均成長率6.5%で拡大すると見込まれています。

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世界の外食・フードサービス産業の4割を占めるアジア地域においても、2019年から2024年にかけてデリバリーが12.9ポイント増加(9.9%→22.8%)、イートインが11.4ポイント減少(75.5%→64.1%)するといった同様の傾向がみられます。

 

国内での成長は減速、インドや東南アジアで成長の機会

アジア地域における外食・フードサービス産業の2024年~2029年の年平均成長率をみると、日本は0.7%と低いのに対し、フィリピン(8.0%)、インド(6.6%)、ベトナム(4.8%)は高い成長率での拡大が見込まれていることがわかります。

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当社のエミル・ファジラ アジア地域食品インサイトマネジャーは、次のように述べています:「日本市場は、人口減少と厳しい市場環境により、2029年までの成長可能性が限られている。このことは多くの従来型の外食産業にとって課題となっている。対照的に、インドおよびフィリピンを中心とした東南アジア市場は、日本企業-特に効率的なサービスと高品質な料理を提供することに強みを持つ企業-に新たな機会を提供している。これらの成長市場に参入したい企業は、現地の嗜好に合った新しいメニューを用意するのに加えて、デジタルプラットフォームを通じた存在感の向上や、ぜいたくさと手頃さのバランスを取るための価格帯の位置付けについても考慮する必要がある」

 

アジア地域では、コーヒー・紅茶専門店が引き続き好調

アジア地域においては、コーヒー・紅茶専門店市場が引き続き活況を呈しています。同地域の外食・フードサービス産業全体の前年比成長率は3.4%増だったのに対し、コーヒー紅茶専門店の前年比成長率は13.1%増となっています。2029年まで、10.1%の高い年平均成長率で拡大する見込みです。

フランコは「こうした製品は、コスト意識の高い環境の中で、消費者にとって手頃なぜいたくや社交の手段を提供することから、“日常のぜいたく”として親しまれている」と述べています。

より詳しい事例やデータをお探しの方は、 「世界の外食・フードサービス市場」(The World Market for Consumer Foodservice)をご覧いただくか、弊社までお問い合わせください。

– 以上 –

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ユーロモニターインターナショナルは、英国ロンドンに本社を置くグローバル市場調査会社です。世界16か国にオフィスを構え、100か国に現地アナリストを配置し、市場分析レポートや最大世界210か国を網羅するデータベース、そしてカスタマイズ化されたコンサルティング調査をもって、企業の皆様の、いつ、どこで、どのようにビジネスを成長させるべきかという意思決定のお手伝いをしています。戦術的(Tactical)かつ戦略的(Strategic)である当社の調査ソリューションは、最新のデータ分析技術を利用、都市圏単位からグローバル市場までをカバーし、世界市場の様々なトレンド・成長要因に関する情報を提供することで、事業における優先順位の見極めや仮説の見直し、潜在的なビジネス機会の発見にお役立ていただけます。 

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